身体を温めることで得られる「ヒートショックプロテイン(HSP)」とは?
最近話題となっている「ヒートショック」とは、ショックという言葉から想像できるように体に刺激を与えるものです。
急な温度差が体に刺激を与え血圧を急上昇させるというもので、これによる事故や体への悪影響も気をつけなければいけません。
しかし、スポーツを日常的に行っているアスリートにとってはこの刺激もトレーニングと同様に筋肉への刺激としての効果も注目されています。
ヒートショックプロテインとは?
「ヒートショックプロテイン」という言葉をご存知でしょうか。
これは、文字通り「熱によるストレスで得られるプロテイン」のことです。
温泉などで入浴し身体を温めた際に、その熱のストレスにより一時的に体内でつくられるたんぱく質の量が増えるのです。
傷んだ細胞を修復する働きを持ち、「免疫細胞の働きを強化する」「乳酸の発生を遅らせる」などの効果があります。
その「ヒートショックプロテイン(HSP)」の効果のピークは、入浴の約2日後だと言われます。
スポーツ選手などは、試合の数日前に温浴トレーニングなどを行ってHSPを増やし、当日にパワーを発揮できるよう体調をコントロールしている人も多いのです。
ヒートショックプロテインを利用する際のポイント
ヒートショックプロテインの効果を利用する際のポイントを簡単に挙げておきます。
・週に1〜2回程度でよい。
・40〜42度くらいの熱すぎない温度のお湯に浸かる。
・入浴前に水分補給する。
増加したHSPは1週間ほど体内に残り、その力を発揮します。HSPのパワーがピークを迎えるのは、入浴から2日後といわれているので、「パフォーマンスを発揮したい日」から逆算してこの入浴法を試してみるのもいいかもしれません。
入浴前の水分補給をしっかりしましょう。
また、身体に余計な負担がかかるため温度を上げ過ぎてもいけません。HSPは、体温を38度ほどまで上げ(平熱プラス1.5度ほどでOK) 保温することにより得られます。10分ほど湯船につかれば体温が上昇します。そこから、必要であれば少し休み、5〜10分程度入浴するといった形がおすすめです。
入浴に疲労回復効果があることは、周知の通りですが、この「ヒートショックプロテイン」効果も意識して利用してみてはいかがでしょうか。
▼アスリートの入浴に関する参考文献