「世界一効率のいい 最高の運動」週2回1日4分間だけコミットしろ。
現在、世界中の医師やアスリートが注目しているトレーニング方法「HIIT」(High Intensity Interval Training)。ざっくりいうと「高強度の運動と休息を交互に行うトレーニング」のことである。週に2~3回、1日たった4分間の「HIIT」をするだけでダイエット効果や筋トレ効果、持久力アップ、さらには血糖値や血圧の改善につながるのだという。
最強最短の運動方法「HIIT(ヒット)」をはじめよう
「HIIT(ヒット)」をおすすめする理由は、短時間で効率的でありながら、器具を必要とせず、バランスよく体質を改善できるからだ。
医学の世界では「運動は万能薬である」という表現がしばしば使われるように、運動の健康効果は周知のとおりである。
通常の生活を送っていても運動習慣のない人の筋肉は1年で1%ずつ減少し、ベッドで寝たきりでいると人間の筋肉は1日で約2%も落ちるといわれている。
運動をしなければ、「筋肉量が減る→エネルギーが作られにくくなる→
疲れやすい体になる→さらに運動をしなくなる」という悪循環に陥ってしまうのです。
エネルギーが作られにくい体になると、エネルギーに変換されない栄養素(糖質が体内で行き場を失います。よって、それが体脂肪に代わることで肥満などの生活習慣病、および老化の原因になってしまうのです。
本書で紹介されているトレーニング法「HIIT」は、短時間で行える上に、「筋肉量アップ」と「心肺機能の向上」を同時に狙うことのできる画期的な運動である。
「HIIT」で得られるメリットとは?
この「HIIT」による効果・効能は大きく分けて以下の6つである。
①体力・持久力アップ
②ダイエット効果
③筋トレ効果
④血糖値を正常に
⑤血管の若返り
⑥脳の老化予防
繰り返しになるが、アスリートにとっては「心肺機能の向上」と「筋力アップ」を同時に達成できる嬉しいトレーニング方法である。
さらに、本書で述べられている注目は「情報処理能力の向上」が期待できるという点である。
脳科学の世界では定番の「ストループテスト」(書かれている文字ではなく色を判断させるというテスト。たとえば赤色で書かれた「青」という文字を「青か?」と問われたら×を押してもらい、その反応速度を測るもの)を行ったところ、HIITを行ったグループとそうでないグループとでは明らかな結果の違いがあったそうだ。
運動には、体のコンディション作りだけでなく、脳のコンディション作りの効果があるのだ。
タバタトレーニングと「HIIT」の違いとは
高強度の運動と休息を繰り返す運動として、以前にも紹介した「タバタ式トレーニング」を思い浮かべる方も多いかもしれない。
本書でも触れられているが、タバタ式トレーニングも「HIIT」である。
しかし、タバタ式トレーニングはよりプロアスリート向けのトレーニングであるといえる。
本書によると、「HIIT」には大きく2種類ある。
・オールアウト(最大酸素摂取量や最大心拍数に達するレベルの負荷)
・オールアウトの手前(最大心拍数の7~8割)
「タバタトレーニング」は、最大酸素摂取量の170%の高強度で、20秒の激しい運動と10秒の休息を1セットとして8セット、のべ4分間の間欠運動を行うというものであり、蒸気の「オールアウト」やさらに上を目指すレベルの運動である。
(おそらく、タバタをやっているという方でも本当はそのレベルまで追い込めていない方は大多数ではないだろうか)
一般の方がまず「HIIT」を始めるにあたっては、「7~8割」の強度をおすすめする。
もちろん、社会人アスリートやもっと追い込みたい方は自分で強度をもっと上げるべきですが、重要なのは「習慣化」です。
ついつい運動し始めると、「もっともっと」と追い込んでしまいがちですが、最初は「ややキツい」くらいから始めてみて、慣れてきたら徐々に負荷を上げていきましょう。
大原則は「安全かつ継続できること」である、と著者の川田さんも述べています。
さあ、今日から「HIIT」をはじめよう
「HIIT」1回に必要なトレーニング時間は、軽いウォーミングアップを入れても10分あればできます。強度を上げながら習慣化すれば相乗的にどんどん成長が期待できるトレーニング方法です。
まずは、週2回から始めてみることをおすすめします。
もちろん、社会人アスリートの皆さまや慣れてきた方は週3~4回に増やしてみるのもあり。おすすめは、「何曜日と何曜日にやる」というように規則性を持たせて習慣化してしまうことです。
筋肉の回復や疲労の回復を考えて1~2日は空けるようにしましょう。
具体的なトレーニング内容に関しては、本書をお読みいただくか、今ではYoutubeなどでトレーニングメニューをあげている方がたくさん見つかります。自分にあったトレーニングを見つけてみましょう。
繰り返しになりますが、「運動を習慣化すること」が大事。まず、トレーニング自体の質を上げるのはもちろんですが、まずはこの「習慣化」に全力を注いでみてはいかがでしょうか。
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