長距離の試合前の補食には、何を摂取すればよいのか?
1896年の第一回オリンピックのマラソン優勝したギリシャのスピリドン・ルイスは、競技中にワイン、牛乳、ビール、オレンジジュースなどを摂取したといわれています。
もちろん、100年以上も前の話なので、それ以来、スポーツ栄養学の分野ははるかに進歩しています。しかし、「いつ何を摂取ればよいか?」という問いに対しては、いまも探求が続けられているのです。
運動開始前と運動中、運動後の栄養補給などに対して、さまざまな意見や研究結果があります。
「カーボローディング」の効果はどのくらいあるのか?
試合前の食事コントロールの方法として有名なのが「カーボローディング」ですね。
競技の1週間前にトレーニングの強度を上げ、同時に脂質とたんぱく質だけを摂取することで、炭水化物を枯渇させる。そして、競技の2~3日前から炭水化物を補給したときに、通常より多くの炭水化物(エネルギー)が筋肉に取り込まれるというものです。
カーボローディングに頼るよりも、試合当日の食事が重要だと考えられます。
競技前には、何を食べるべきなのか?
では、競技の前には何をいつ摂取するのがベストなのでしょう?
食事のタイミングを誤ると、エネルギー不足に陥ったり、脇腹痛を引き起こすことがあることは、競技経験者なら誰しも心得ていることですね。
飲み込んだ食べ物が胃から結腸に到達するまでに、通常1~2時間かかります。(最終的に体外に排出されるまでには24~72時間かかる)このため、激しい運動をする場合は、食事後3~4時間空けることが最適です。
また、激しい運動をする人の場合は、胃から結腸へと食べたものが移動するスピードが速まるということも明らかになっています。
※運動前の食事に関しては、こちらの記事を参照ください。↓
ワークアウトの前に食べるべきはコレだ!運動前に取るべき11の食べもの - アスリートの栄養学
自分に合うものを時間をかけて探してみる。
一般的に、2〜3時間前までは、おにぎりやパン、うどんなどのエネルギーに変わりやすいものを、30〜60分前まではバナナなどの果物、直前にはエネルギー補給のゼリー類が良いとされます。
運動中の胃腸障害を避けるために、不安な方は、運動前には食物繊維や脂肪分の多いものは避けましょう。
最善策を見つけるには自分なりの試行錯誤は必要です。苛酷な状況でも胃が受け入れてくれる、自分に合うシンプルな食事を見つけましょう。