アスリートとお酒。「焼酎」は体にいいのか?
スポーツ選手として、お酒との付き合い方はしっかりと考えなければなりません。
「太りにくい」
「二日酔いになりにくい」
といわれ、日本酒やビールよりも「体にいい」というイメージの強い焼酎。
しかし、本当に日本酒やビールよりも体にいいのでしょうか・・?
焼酎は低カロリーである?
アルコール度数12%の日本酒一合と、アルコール度数35%の焼酎0.75合を比較してみると、
日本酒が200キロカロリー
焼酎が160キロカロリー
と、焼酎のほうが低カロリーである。
たしかに、同じ量のアルコールを含む日本酒と焼酎を比較すると、蒸留酒である焼酎は「太りにくい」といえるかもしれない。
ただし、この差は約40キロカロリーにすぎない。
それはアーモンドなら6~7粒、枝豆なら50g程度に過ぎないのである。
焼酎は糖質が少ない?
また、焼酎は日本酒やビールに比べて糖質が少ないため、糖尿病にもかかりにくく、健康的だといわれる。
たしかに、アルコールの血糖への影響の研究によると、日本酒やビールは、飲んだ後に血糖値が上がりやすく、焼酎は血糖値が上がりにくい。
しかし、アルコール自体に血糖値を下げるホルモン「インスリン」の作用を弱める働きがあるため、焼酎を飲んでいれば糖尿にはならないというわけではない。
それよりか、つまみの食べ過ぎによるカロリーオーバーや、中性脂肪の蓄積のほうが心配なのです。
中性脂肪は肝臓でアルコールが分解されるときにつくられる物質で、肝臓の処理能力が追い付かなくなると蓄積してしまいます。
お酒を飲むと、ビタミンが失われる。
「焼酎は太りにくい」
「蒸留酒は、プリン体が少ない」
「ポリフェノールたっぷりの赤ワインは身体のサビを予防する」
などなど、飲酒のメリットを口実に、頻繁にお酒を飲んでしまう人も少なくない。
たしかに、「酒は百薬の長」という言葉があるように、健康効果を否定するわけではない。
しかし、アルコール摂取により消費されるビタミンが多いことは事実です。
【お酒で消費されるビタミン】
・ナイアシン
・ビタミンB1
・ビタミンB2
アルコール依存症患者にビタミンB1不足で起きる「脚気」やナイアシン不足からくる「ペラグラ」(食欲不振、倦怠感、皮膚炎など)などの欠乏症が多いのは、お酒の飲みすぎで大量にビタミンが消費されてしまっているからです。
アルコールの代謝の過程で、アセトアルデヒドを幹細胞の酵素とともに酢酸に変え、体外への排出を促すのがビタミンの働きです。
そのため、お酒を飲むと肝臓でナイアシン、ビタミンB1、ビタミンB2が大量に消費されます。
とくにビタミンB1の消費が大きく、不足すると倦怠感やだるさが生じます。
アルコールを摂取するときは、ビタミンB群が多く含まれるつまみを用意することがおすすめです。
【ビタミンB群を含むつまみ】
冷奴・納豆・枝豆・レバーの焼き鳥・豚肉キムチ炒め など
▼お酒の疲労回復効果について
お酒に含まれるアルコールには血管を広げる働きがあります。よって血流が促され、老廃物の排泄がスムーズに進みます。また、アルコールは脳を軽く麻痺させるため、リラックスしてストレスが軽くなります。適量のお酒は疲労回復によいとされるのは、このためです。
— アスリートの栄養学 (@athlete_health) 2017年2月3日
疲労対策に期待できるのは、梅酒、レモンやグレープフルーツなど柑橘系の酎ハイです。また、ワインなら白ワインよりも赤ワインのほうが、抗酸化作用を持つポリフェノールの含有量が多く、脳以外の器官での酸化ストレスを減らしてくれます。※もちろん適量を超えるものは有害ですので気をつけましょう。
— アスリートの栄養学 (@athlete_health) 2017年2月3日