人間が生きていく上で、欠かすことのできない栄養素は、脂質、たんぱく質、糖質(炭水化物)の三大栄養素と、ビタミン・ミネラルを含む五大栄養素ですね。
一方で、生命維持にかならずしも必要ではないが、摂取することで健康維持や病気予防に効果を発揮するのが「機能性成分」です。
食物繊維はおなじみですが、TVなどでも話題になっている「ファイトケミカル」とは、どういった成分なのでしょうか。
「ファイトケミカル」とは?
ファイトケミカルとは、ひと言でいえば、野菜、果物、豆、海藻などの植物性食品に含まれる化学成分の総称です。
「第六の栄養素」とよばれる食物繊維に引き続き、「第七の栄養素」とも呼ばれます。
その成分は、赤、黄、青などの色素や、アク、渋味に含まれます。
これは、紫外線や病害虫、病原菌、寒さなどから身を守るために植物が身に着けた防御システムともいえる物質で、強い抗酸化力を持っているものが多いのです。
ほとんどのファイトケミカルには、活性酸素を無害化する働きがあり、生活習慣病や老化を防いでくれます。
ファイトケミカルの5つの分類
抗酸化作用以外にも、植物性食品にはかならず何かしらの機能性成分が含まれているといわれ、それぞれの性質の違いから、ファイトケミカルは、「カロテン類・ポリフェノール類・テルペン類・イオウ化合物・β‐グルカン」の5つに分類されます。
ポリフェノール類は、ファイトケミカルの代表的な成分です。植物性食品に含まれる色素やアクで、 動脈硬化予防などの効果があるとしておなじみです。
テルペン類は、オレンジ、レモンなど、かんきつ類の香りや苦みに含まれる成分です。
カロテン類は、おもに野菜などに含まれる色素で、抗酸化作用があります。
イオウ化合物は、ニンニク、玉ねぎの香り成分で、血液をサラサラにする抗血栓作用があります。
β‐グルカンは、キノコなどに含まれる多糖類のひとつ。赤血球に働きかけて免疫力を高め、がん細胞の抑制効果も期待されています。
さらなる「ファイトケミカル」の可能性
ビタミンやミネラル、食物繊維以外に、第七の栄養素として、体の生理的機能を活性化させるとして注目を集めているファイトケミカルですが、
これまで、主に考えられてきた食品の機能とは、エネルギーやビタミン・ミネラル源としての働き(栄養機能)と、食べたときに感じる味や香り(感覚機能)の2つの機能でした。
— アスリートの栄養学 (@athlete_health) 2017年3月6日
しかし、近年「ファイトケミカル」のような生体調整機能が第3の機能として認められるようになりました。 pic.twitter.com/24BOBfu8uD
一般に知られている機能というのは、実はごくわずかです。
ファイトケミカルは、およそ一万種類もあるとされており、これからもさらなる機能性成分が発見される可能性は大いにあるのです。
多種類を組み合わせて摂取するといい
ファイトケミカルは、どれか一つの成分だけをとるよりも、さまざまな成分を組み合わせて取ったほうが効果的です。
つまり、一種類をサプリメントなどでとるよりも、複数のファイトケミカルや、ビタミン類を含んでいる食品でとるほうが効率的です。多種類の食品を組み合わせてとれば、もっと効果が高まります。