アスリートに必要なのは、心技体だけじゃない!「脳」の働きを高める4つの栄養素
アスリートとして「脳の機能を高める」ことは、近年重要視されています。
「心技体」に加え、「心技体脳」とも言われるようになりました。
スポーツや勉強に役立つ、脳の働きを助ける4つの栄養素を紹介します。
脳の働きを助ける4つの栄養素
以下の4つです。
1.コリン
2.DHA
3.ナイアシン
4.ビタミンB12
おすすめ食材とともに紹介します。
1. コリン
コリンは、脳に入ると神経伝達物質に変化して、記憶や判断を手助けします。
細胞膜や神経組織を構成するレシチンや、神経伝達物質のアセチルコリンの材料となる重要な物質です。
レシチンには、血管壁へのコレステロール沈着や肝臓に脂肪がたまるのを防ぐ働きがあり、アセチルコリンには、血管を拡張して血圧を下げる働きがあります。
このため、コリンには、動脈硬化や脂肪肝、高血圧の予防効果が期待できます。
「コリン」を多く含む食材
味噌に多く含まれますが、この味噌はビタミンEや抗酸化物質など老化を防止し、脳の働きを助ける栄養の宝庫です。
多く含まれる食材は、おから、牛肉、豚肉、納豆、大豆、レバー、さつまいも、チョコレートなど。
※「コリン」は、ビタミン様物質と呼ばれる栄養素の一種で、体内においてビタミンと同じように重要な働きをしますが、欠乏症などがないことからビタミンとは区別されています。
2. DHA(ドコサヘキサエン酸)
DHA(ドコサヘキサエン酸)は、脳の発達に欠かせない脂質の一種です。
脂質は、脳の神経細胞をはじめ全身の細胞膜を形成するために必要な栄養素です。
特に、細胞膜を形成するリン脂質に含まれるのがDHAという長鎖多価不飽和脂肪酸で、神経と神経をつなぐシナプスと呼ばれり部分の膜に多く、記憶促進物質として情報伝達に重要な役割を果たしています。
DHAが多く含まれる食材
よく知られているように、DHAはイワシやサバなどの青魚に多く含まれます。
特に、魚の目の周りの脂肪分に多く含まれるため、煮込みなど脂肪を逃さない料理が効果的です。
3. ナイアシン
ナイアシンには、コレステロールを下げて、脳神経の働きをよくする作用があります。
体内でも合成される代謝に必要不可欠な物質です。
人間の体内では、必須アミノ酸の一種であるトリプトファンからも合成され、トリプトファン60㎎からナイアシン1㎎がつくられます。
ナイアシンは、糖質・脂質・たんぱく質からエネルギーを生産する過程において、補酵素として重要な役割を果たしています。
ナイアシンを多く含む食材
有名なものは、プルーンです。ナイアシンには、アルコールの分解を助ける働きもあるため、お酒のお供にプルーンはおすすめです。
その他、たらこ、マグロ、イワシ、鶏肉、レバー、ピーナッツなど多くの食品にに含まれます。
魚や肉は、ナイアシンの合成原料であるトリプトファンも多いので一石二鳥です。
ナイアシンは、熱に強いため、偏りなく普通の食事をしていれば、欠乏症の心配はないでしょう。
4. ビタミンB12
ビタミンB12は、集中力や記憶力の向上に効果があります。
認知症患者は、脳内のビタミンB12の濃度が著しく低いことから、脳が正常に機能するために重要な栄養素だと考えられています。
ビタミンB12を多く含む食材
ビタミンB12を含む「チーズ」は、完全栄養食品といわれるほど栄養価が高く、また、お酒の前に食べるとアルコールの分解を助けます。
その他、レバー、牡蠣、あさり、ヨーグルト、牛乳などに含まれます。動物性食品をしっかりと摂っていれば、ビタミンB12不足になることはまずありません。
ビタミンB12は、光や空気によって酸化がすすむため、肉や魚を冷凍する場合はしっかりと密閉しましょう。水溶性のビタミンですので、スープなどで食べられる調理法がおすすめです。
ちなみに、徹底した菜食主義者がどんなに植物性の食品を組み合わせたとしても不足してしまうのが、このビタミンB12といわれています。
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脳の働きを高める4つの栄養素まとめ
以上、4つの栄養素をまとめたものがこちらです。
栄養面では、コリンやDHAのように、脳の機能を助ける働きをするものを摂ることです。
お気づきのように、多くが動物性食品です。微量栄養素を多く含み、健康的なイメージのあるのは野菜などの植物性の食品ですが、脳を含め、身体を構成するもととなるのは、動物性食品なのです。
また、脳を老けさせない、脳の機能を維持するためには、栄養面だけでなく自分の関心が持てることを探していくことが大切です。