健康志向が害になる!?「フィンランド症候群」とは?
健康に気を配ることはいいことです。
心身ともに健康であることが、毎日の生活に大切であることは言うまでもありませんね。
しかし、それも度を越してしまうと、悪影響になってしまうこともあるので、気をつける必要があります。
「フィンランド症候群」とは?
世界で最もしあわせな国の一つとも言われるフィンランド。
そのフィンランドで行われた健康調査からわかった、健康志向に警鐘を鳴らすエピソードがあります。
北欧のフィンランドは、社会保障が行き届いた国で知られていますが、国家は国民一人一人の健康管理にも気を配っています。
その一環として、50代以上の管理職600人を対象に、10年間にわたり調査を行いました。
この調査では、対象を2つのグループに分けます。
そして、一方は徹底した健康管理を行いました。
その内容は、理想的なもので、早寝早起き、適度な運動の心掛け、脂っこいもの、甘いものを避けた食事、アルコールもできるだけ飲まない、たばこは吸わない、、など呼びかけました。
もう一方のグループは、全く健康管理を行いませんでした。
飲酒、喫煙や食事についても何の制限もなく、個人の選択に任せて好きなようにしてもらったのです。
そして、毎年2つのグループの健康診断を行ったところ、健康管理に留意しているグループのメンバーのほうが健康ではなかったのです。消化器官系疾患が多く、循環器や内分泌系疾患も多かった。かたや、健康管理に留意していないほうのグループのメンバーの多くは健康体だったのです。
このエピソードをもとに、徹底した健康管理がかえって健康を害してしまうことを「フィンランド症候群」と呼ぶようになったのです。
健康について気にしすぎると、健康を害しやすくなる。
フィンランド症候群から学ぶ大事なことは、健康についてあまりに気をつけ過ぎると、かえって健康を損ないやすくなるということです。
あまりに健康に気を使わないのも問題ですが、それよりも厳格に健康を管理しすぎるほうが問題なのです。
これには、脳の満足とドーパミンの分泌が大きく関係しています。
健康に気を遣いすぎると、嫌なことを無理して行う必要もあります。しかし、嫌なことを無理してやっても満足感は得られません。満足感を得られなければ、ドーパミンの分泌は少なくなり、細胞に疲労物質が蓄積されることになります。その結果、細胞機能が低下し、さまざまな疾患につながるのです。
さまざまな健康法がありますが、無理は禁物です。
嫌なことを無理してやることは、心身のバランスを悪化させてしまうことを心得ておきましょう。